多摩貧乏生活カタログ孤独のグルメ（新青梅街道の中華そば）

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カブで片道２時間ばかりの帰り道
右折する路地をうっかり通りすぎてしまい
さっきまで遠くに見えてた田無タワーが見上げるまでに迫ってきた
なんで一本道で間違うんだろうな俺、どっかでＵターンするか
ふとみると中華そば290円の看板
朝からなにも食ってなかったので迷わず入る事にした

安かろう悪かろうな店かと思いきや店内は広々とファミレス並で
店員も黒のほっかむりに黒シャツ黒ズボン
どこぞで見た事あるような制服
夕方で客も多くカウンターの隅におさまった
メニューみると290円の他に180円の餃子もあったので注文
同じ180円のチャーシュー丼（小）に心惹かれたけど
ラーメンには餃子だ
普段外食といえば立食いソバしか食わないので
３分以上待たされると妙にいらつく
壁超しの厨房小窓からするどい目付きの店員と目が合う
客の様子見て塩分多めにしたりする店なんだろうか
目の前の女の子はほっかむりから斜めに前髪が出てた
可愛いけど衛生的にどうなんだろ
「ラーメンでーす。」
右斜め後ろから平皿に乗った丼が差し出される
目の前しか見てなかったら意表を突かれた

ラーメンの具は幅広薄切りチャーシュー２枚、ナルト、葱、ノリ
これで290円は安い気がする
なんといってもチャーシュー２枚が嬉しい
さっきチャーシュー丼頼んでたらチャーシューがダブるとこだ
とりあえずスープを一口
うん、美味い
化学調味料万歳な店じゃなくて良かった
今日も暑かったので備え付けの胡椒に辛子味噌も混ぜ合わせて啜る
どうしてラーメン屋の醤油ラーメンて少し酸味があるんだろ
チャーシューは少し冷えてたけどこれも美味い
麺は細めでコシも良い按配だ
カウンターに置かれてたティッシュ箱に色々書いてある
えーと、水を多く入れ練り上げた多水制熟成麺か…
スープは鶏ガラ、豚骨、野菜スープに厳選された各種素材を入れ
昆布、鰹節の出汁を加えたトリプルスープです…
トリプルって五つ以上じゃないか？
なんか意味合いが違うのかもしれない
数字じゃなくてミラクルとかそんな感じの…
「ギョーザでーす。」
餃子は小ぶりだった
まあしかたないか180円だし
醤油に酢とラー油でタレを作り一口
ぷんとニンニク臭が広がりカリッとしてこれも美味い
妙に美味い
小さいけど
辛くしすぎたスープを啜り終わり勘定を済ます
「491円でーす。」
安いわ

外に出ると夕暮れ時なのに蒸し暑かった
目の前の田無タワーを見上げてなにげに写真を撮る
ついでに店も
看板に創業昭和29年…ああだから290円なのか
こういう単価の安い店って給料も安いのかな
集客商品だとすると儲けなんてほとんどないんじゃ
他のメニュー見ても比較的安いけど
それにしてもラーメン屋でラーメン食うの何年振りだろう